|
食事を終えて通りに出ると、里美は食後のコーヒーが飲みたいと言う。それで一本裏の通りまで行って、馬車道十番館に入った。
「あ、このお店知ってる!」
店の前まで行くと、里美が歓声をあげた。以前に何度か女性誌で見たという。
「煉瓦作りが可愛いねー、ここ憧れだったの。来たかったんですー。この十番館って、もうひとつ山手にもあるでしょう」
「うん、あるよ」
「そっちにはよく行くー」
里美は言い、私は店の前にある小さな大砲や、古いスタイルの公衆電話ボックスや、牛馬飲水の桶について、知っている限りの知識を披露した。(中略)
―――私たちは墓地の柵に沿って歩き、山手十番館に入った。平日で人が少ないから、苦もなく窓ぎわにすわれた。窓の外には外人墓地の黒い鉄柵と中の墓石、その彼方には緑の先端とか、マリンタワーや高層建築群の先端が覗いている。
「里美上京」から引用
馬車道十番館・山手十番館
ここもお馴染みの場所である。赤煉瓦貼りの建物は意外に大きい。馬車道から1本脇にそれた六道の辻通りというところにある。店の入り口には大砲や牛馬飲水場が置かれ、一階は喫茶店、二階は英国酒場、三階はレストラン、四階五階は宴会場となっている。一度、ここの二階を昼間の時間に貸し切り状態にしたこともある(笑)もう何度も入っているが三階のレストランだけは未開の領域だ。目立たない裏小路にあるお店だが、いつも人で賑わっているのは異国情緒溢れる外観と店内の雰囲気で、それだけ人気が高いということだろう。最近では別館も新たに出来たようだがこちらはまだ入ったことがない。
そしてもう一つ山手十番館だ。ここは名の通り山手に位置し外人墓地のちょうど目の前だ。建物は馬車道のようなビルジンヂングのような外観ではなく西洋館といった感じになっている。馬車道同様1Fは喫茶店、2Fはレストランとなっており抜群のロケーションと雰囲気のある洋館でこちらも超人気のお店だ。
更にここの近くには港の見える丘公園、クリスマス・トイズ、猫の美術館、江戸千代紙の店などと楽しませてくれる多くある。そして、外人墓地を下っていくと華やかな元町商店街にでる。更に足を延ばすと里美の通うセリトス(フェリス女学院)も、この山手にある。
2001 Photo takku.ten / report ten
Location Yokohama
|