いささか殺伐として気分になった旅人も、目の目についに死海が開けたとき、同時にここが、神の創りたもうた地上で最も美しい場所でもあることを知るだろう。唐突に現れるこの雄大な水の広がりは、渇き喘ぐ旅人の心を柔らかく癒すようだが、この美しく澄んだ水は、ただの一滴も飲むことができない。極度に塩分の濃度が高いからだ。
――エメラルドグリーンに沈み、塵ひとつ浮いていない。ところどころ、まるでこの世のものではないような白い岸辺がある。そういう渚には、白い美しい岩や、陽光に輝く小さな広い塔が、水辺に佇む数人の人影のように立っている。


「アトポス」から引用

死海
水はかすかにブルー。周りの土地に緑はなく、赤茶けたの剥き出しの大地がずっと続いています。水はさわるとなんとなくどろっとして油のような感触です。ためしになめてみましたが、あまりの辛さに舌が痛いくらいでした。
水に入ると面白いほど身体が浮きます。すばらしい感覚で、何時までも水の中にいたくなります。力を抜いても沈みません。水は表面のほうが冷たく、深いほうが暖かいのです。不思議なことに!どれだけ長くでも水の中にいられるような感じです。レオナさんもきっとこの感覚を楽しんだことでしょう。
死海の夕日はすばらしく美しい光景でした。草木のない岩だらけの大地に静かに水をたたえた湖。風も殆どないのですが、すごい熱気があたりを包んでいるためか、静寂や死というイメージは不思議とありません。


2001 Photo and report MM
Location Jordan