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「今嵐山にいるんだ」
「へえ、そりゃいいね、そのあたりは気に入ったよ、特に君の嫌いな桜の咲いているところがいい。ところで脳の調子はどう?」
「生まれてからこっち、今ほど快適な時はないね!君は渡月橋を知っているだろ?嵐山の。その渡りきったところにお地蔵さんみたいな電話ボックスがあったのを憶えているかい?」私ははっきりと憶えていた。
「今そこからかけているだ。このボックスから道をはさんで反対側にね、琴聴茶屋って店があるんだ。桜餅がおいしいんだよ、あんこが入ってなくてさ。今すぐ食べにおいでよ。君にちょっと会わせたい人がいるんだ」
「占星術殺人事件」から引用
電話ボックス
渡月橋のたもとにある電話ボックス、現在では『お地蔵さんみたいな電話ボックス』ではなくなっている。
いつから変わってしまったのか分からないが、ここ京都も10年も訪れていないのだから分かるはずもない。しかし、数年前に京都在住の友人に強引に「写真を撮って来い!」と朝も早くからバイクを走らせたという記憶があり、その時に撮ってもらった写真が、僕が見る『お地蔵さんみたいな電話ボックス』最後の姿となった。
その写真もここに置いておくことにする。ちょっと見にくいのだが、今更撮り直しが利かない。茅葺きの屋根で何とも変わった電話ボックスだが、やはり取り壊しは風化が原因なのかな?僕自身も、この写真を持っているのだが、なんとも間抜けな10年前の自分も写っているのだから閲見に引っかかりお見せできないのである。
2002 Photo and report ten
Location Kyoto
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