|
――駅前からは七、八分歩く感じで、木造の二階建てがあった。
道の側から見ると、茶色にペンキが塗られている。背中はすぐに東横線の線路である。これはおそらく電車の音がうるさいだろうと思う。裏側、線路に面した壁面には、トタンが貼ってある。このトタンは薄グリーンに塗られている。廊下についているらしい小さな窓も見える。(中略)
建物左手は、国道の立体交差橋である。東横線を跨ぐ橋だ。上をトラックが地響きとともに行きかう。橋の影がアパートに半分かかっている。橋の下に、ほんの小さな公園がある。砂場とジャングルジム、ブランコ、ベンチ、これが少々気に入った。橋の下だから陽があたる様子がないが、アパート専用の小公園のように感じられたのだ。
「異邦の騎士」から引用
元住吉のアパート
異邦の騎士で良子達が住んだアパートも実在する。元住吉の駅から歩くこと10分ほどの線路沿いに今もなお建ち続けるアパートは現在も住人が住んでいる。外装は見るからに、もうこの手のアパートは博物館ものの装いである。聞き込みによると近く壊されるかもしれないということだが、大家さんに言えば中も観覧出来るようだ。
2Fには行けないようになっているので、人が住んでいるのは1Fになる。もうSSKの人でもお馴染みの舞台ポイントなので、ここの住人も何故時折人が見に行くのか不審に思っていることだろう。
やはり『異邦の騎士』は誰にも思い深い作品だと思うので、壊されない内に是非1度は訪れて、その目で見て貰いたいと思う。確か、その昔島田さんの友人が住んでいたと記憶したがどうだったかな?すぐ横に道路の高架があるのだが、その下にあるのが例の公園になる。今ではスラム街のようなペイントが壁いっぱいに描かれているが、実際に観ると小さな公園で本当にアパート専用の小公園といった感じだ。
2002 Photo and report ten
Location Tokyo
|