ビーフシチューについて


さて今回は、家庭で作るビーフシチューについてである。

そもそも、東京で一人暮しをしている時には、ほとんど全くといって良いほど料理をしなかった。これには私なりの言い訳があり、昼間は会社の同僚の女の子達とかなり豪勢なランチを楽しむ分、夜は軽く済ませないと、どんどん太ってしまうのである。加えて、もちろん面倒くさいというのもあった。どうせ一人暮しだし、同僚達と楽しく食べるランチをメインで考えると、夜はどうしてもコンビニのおにぎりに、インスタント味噌汁程度になってしまう。マンションから歩いて30秒の場所にローソンがあったのも、私の粗食に拍車をかけた。たまにカップラーメンのときもあるのだが(時々、あのしょっぱーい人工的な味が無性に恋しくなることありません?私は月1回の割合で、カップラーメン食べたい病の発作をおこしていた)、コンビニのお弁当が嫌いな私は大抵おにぎりを買っていた。ちなみに、おにぎりの具ベスト3は、タラコ、明太子、鮭の順で、インスタント味噌汁ベスト3は、しじみ、豚汁であった(ベスト3と言っておきながら2つしかないのは、それ以外買わなかったから)。

週末は必ず金曜からりんプーのマンションで過ごすことを4年間も続け、完全週末婚状態であった私達だが、金曜日と土曜日は必ず「やーっと今週も終わった、飲んでやる〜!」と言いながら外食して泥酔、というパターンだったので、日曜の夜ぐらいは自炊せんと・・とかいいながら、作るのはサラダぐらいのもの。これまた言い訳させてもらえば(こればっか)、りんプーのところにはまともな調理器具がなかったことも原因のひとつであろう。

こんなていたらくであったから、時間をたっぷりかけてコトコト煮込み料理をつくる・・なんていうのは、夢のまた夢、憧れの世界であった。こんなせわしない日常から逃れて、一日のんびりシチューかなんか、煮込んでみたいなあ・・・。

そして、海外移住という大義名分を得て、時間だけはたんまりある今日この頃。おーし、ビーフシチュー、煮込んでやろうじゃありませんか、コトコトと。なんたって無職の強み、一日中台所で鍋にらんでたって平気だもんねー。そして、スーパーで買ったシチュー用牛肉をまずフライパンで炒める。こうすると、肉汁が閉じ込められて、おいしく煮込めるのね、なんて知識ばっかりネットで仕入れて、すっかり頭デッカチ状態。そして野菜を加えて煮込んだのだ、文字通り一日かけて、コトコトと。その日の晩、いい匂いがするねぇというりんプーに、そりゃそうよ、今日一日かけて煮込んでたのよ(実際には3時間ぐらいなもんだったが)とエバる私。しかーし!!弱火でコトコト煮込んだにも関わらず、牛肉が固い、マジに固いのだ・・・・。飲み込むのに毎回20秒かかるぐらい固く、飲み込もうとしても、喉をつっかえながらスローモーションで通りすぎる牛肉の塊に苦しみ身悶えしつつ、やっぱり安い牛肉だからかしら、500グラムで3ドルちょっとだもんね・・と無理やり自分を納得させていた。

そこへもってきて、クロックポットの登場である。これは、「ぱたのうち」というサイト(リンクページ参照)の掲示板で得た知識を元に、スーパーで買った電気調理器である。一見電気釜みたいなのだが、野菜や肉を入れ、スイッチを入れるだけ。あとは低温で調理してくれるので、時間はそれこそ6〜7時間(高温モードで3〜4時間)かかるが、焦げ付かないので、最初に材料をブチ込めば後は何もしなくて良いのだ。煮込んでる間に外出もOK、超便利・・ということで、早速ビーフシチューを作ってみた。ちなみに安い牛肉リターンマッチ、比較のために、前回と同じ肉を使うことにしよう。

朝ご飯食べた直後に夕飯の仕込みをするのもなんかヘンだが、とりあえず野菜を切り、肉を切り、全てクロックポットに入れる。そうそう、日本ではシチュー作るときにドミグラスソースを使うが、こちらにはあまりそれがない。小麦粉とトマトピューレで事足りるのである。この方法はこちらに来るまで知らなかった。この小麦粉も、正式にはフライパンでバターと共にゆっくり炒めて独特のブラウンのルーにするらしいが、今回はクロックポット。小麦粉だけオーブンの鉄板で茶色く焼き色をつけて、ポットにブチ込むという荒ワザを使う。

さて、材料を全て入れたら、ホントに何もしない。あとはクロックポット先生にお任せ、どうぞよろしくお願いします、おいしいシチューを煮込んでくださいまし〜。

私の祈りは聞き入れられた。夕方に出来あがったシチューは、ゲキうま(とか今も言う、それとも死語?)である。特にあの牛肉、前回の猛々しいまでのスジスジぶりがウソのような柔らかさ。ああ、なんてオイシイの。

やはり合理的なアメリカの商品だけある。忙しい人でも、前日か、当日朝に仕込んでおいて、スイッチだけ入れれば夜にはおいしい煮込み料理。シチューだけでなく、カレーやスープ、肉じゃがも作ってみたが、みな満足の出来映え。フン、私が台所で鍋につきっきりで作ったものより美味しいのね。しかし、今までのパターンから見て、凝り性で飽きっぽい私。どうせそのうち料理するのもメンドくせー、となる時が来るに決まってるので、そのときのためにも、できるだけ効率的な器具やワザを身につけておくのが得策と言えよう。

     【食への欲求】

1.ベトナム麺     (12/20, 00)

2.豆腐について    (12/27, 00)

3.ホット・アンド・サワースープ    (1/10, 01)

4.ビーフシチュー     (1/22/01)

5.チャーハン     (2/16/01)

6.リゾット     (4/29/01)

7.ベトナム麺パート2    (9/20/01)

8.和風スパゲッティ    (6/22/02)